介護資格取得の助成金について
2025.03.04
転職 / キャリア
介護資格取得の重要性
介護資格の取得は、介護業界で働くうえで非常に重要です。少子高齢化が進む現代社会において、介護職はますます需要が高まっています。このため、介護職に従事するためのスキルや知識を持つことが求められ、その証明として資格が重視されます。
介護資格を取得することで、専門的な知識や技術を習得するだけでなく、就職やキャリアアップの際にも有利になります。例えば、初任者研修や実務者研修といった資格を取得することで、介護現場での信頼性が向上し、より責任のあるポジションに就くことが可能です。
また、資格を持つことで介護サービスの質を高めることができ、利用者やその家族からの信頼も得られやすくなります。これにより、自身のキャリアだけでなく、介護サービス全体の質の向上にも寄与することができます。特に、自立支援や在宅介護が増加する中で、質の高い介護が求められています。
例えば、シングルマザーや収入が不安定な人々にとって、資格取得によって安定した収入を得る機会が広がります。資格取得を支援する助成金や貸付制度を活用すれば、経済的な負担を軽減しつつ、資格取得に必要な教育を受けることができます。
資格取得を支援する助成金制度
教育訓練給付金制度は、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を目的としています。この制度では、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講・修了した際に、その費用の一部が支給されます。
主な教育訓練給付金の種類と要件
1. 一般教育訓練給付金
・ 対象者: 雇用保険の被保険者で、受講開始日までの間に同一の事業主に被保険者として雇用された期間が1年以上ある方。
・支給額: 受講費用の20%(年間上限10万円)。
・申請方法: 受講開始日の2週間前までにハローワークで申請。
2. 特定一般教育訓練給付金
・対象者:
被保険者: 受講開始日において、雇用保険の被保険者であり、支給要件期間が3年以上ある方。
被保険者であった方: 受講開始日において被保険者でない方で、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合には、最大20年以内)で、支給要件期間が3年以上ある方。
※初めて教育訓練給付の支給を受けようとする方については、当面の間、支給要件期間が1年以上であれば支給対象者となります。
・支給額: 受講費用の50%(年間上限25万円)。
・申請方法: 受講開始日の2週間前までにハローワークで申請。
3. 専門実践教育訓練給付金
・対象者: 被保険者: 受講開始日において、雇用保険の被保険者であり、支給要件期間が2年以上ある方。
・被保険者であった方: 受講開始日において被保険者でない方で、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内で、支給要件期間が3年以上ある方。
※初めて教育訓練給付金の支給を受けようとする方については、当面の間、支給要件期間が2年以上であれば支給対象者となります。
・支給額: 受講費用の80%(年間上限64万円)。
・申請方法: 受講開始日の2週間前までにハローワークで申請。
教育訓練給付金の講座検索
受講可能な教育訓練講座は、厚生労働省の『教育訓練給付制度 検索システム』にて検索できます。
自立支援教育訓練給付金
自立支援教育訓練給付金は、母子家庭の母や父子家庭の父が、地方公共団体が指定する教育訓練講座を受講し、修了した際に、その受講料の一部を支給する制度です。
主なポイント:
• 対象者: 母子家庭の母または父子家庭の父。
• 対象講座: 地方公共団体が指定する教育訓練講座。
• 支給内容: 講座修了後、受講料の一部を支給。
• 支給額: 受講料の60%相当額(上限20万円)。
求職者支援制度
求職者支援制度は、主に雇用保険の適用外の方や失業中の方に向けて、無料で職業訓練を受けられ、さらに訓練期間中の生活支援金(給付金)を受け取ることができる制度です。この制度は、再就職や転職を支援することを目的としています。
支給対象:
• 雇用保険の適用を受けていない離職者。
• フリーランスや自営業を廃業した方。
• 雇用保険の失業給付を受け終わった方。
• 転職を希望するが、現収入が低い方やパートタイムの仕事をしている方。
支給内容:
• 訓練手当: 訓練を受けている間、月額10万円が支給されます。
• 通所手当: 訓練施設まで通うための交通費も一部支給されます。
訓練内容:
• 求職者支援訓練や公共職業訓練の内容を受講することができます。訓練は無料で提供され、就職やスキルアップに必要な内容がカバーされています。
給付金の支給要件:
• 一定の収入や資産の要件を満たしていることが求められます。
申請方法:
• 申請は、求職者支援制度を担当するハローワークを通じて行います。
• 申請を通じて、必要な手続きや書類が案内されます。
この制度は、再就職を目指す求職者にとって非常に有益で、職業訓練を受けることでスキル向上や職業能力を高めることができる制度です。
詳細な手続きや受講方法、申請期間などについては、ハローワークや公式サイトに記載されていますので、直接確認してください。
貸付金制度を利用しよう
介護福祉士修学資金等貸付制度とは
介護福祉士又は社会福祉士の資格取得を目指し、厚生労働大臣の指定する養成施設又は実務者研修養成施設に在学する方を対象に、修学資金を貸与(無利子)しています。 なお、卒業後、介護福祉士又は社会福祉士として介護業務や相談業務等に一定年数従事した場合、返済が免除されます。
介護福祉士修学資金貸付事業
●対 象 者 : 介護福祉士養成施設に在学(入学を予定)している方
●貸付金額 : 月額5万円以内、入学準備金20万円以内 、就職準備金20万円以内 、
国家試験受験対策費用4万円以内/年度
●貸付期間 : 養成施設に在学する期間
●返済免除 : 卒業後に介護福祉士として、介護の業務に5年間勤務することで返済が全額免除される
福祉系高校修学資金貸付事業
●対 象 者: 福祉系高校に在学(入学を予定)している方
●貸付金額: 修学準備金(入学金を除く)3万円、介護実習費3万円以内/年度 、
就職準備金20万円以内 、国家試験受験対策費用4万円以内/年度
●貸付期間: 福祉系高校に在学する期間
●返済免除: 卒業後に介護福祉士として、介護の業務に3年間勤務することで返済が全額免除される
介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業
●対 象 者: 実務者研修施設に在学している方
●貸付金額: 20万円以内
●返済免除: 卒業後に介護福祉士として、介護の業務に2年間勤務することで返済が全額免除される
まとめ:介護資格取得の助成金活用法
介護資格取得のための助成金制度や貸付金制度は、費用負担の軽減だけでなく、キャリアアップにも大きく役立ちます。これらの制度を適切に活用するためには、各助成金や支援制度の条件をよく理解し、必要な手続きを正確に行うことが重要です。特にハローワークを通じた手続きや自治体への申請方法については、十分に調査した上で行動すると良いでしょう。
具体例として、教育訓練給付金や自立支援教育訓練給付金は広く利用されており、一定の条件下で資格取得にかかる費用を大幅に削減することが可能です。また、地域ごとの支援制度に関する情報も収集し、自分に最適な支援を見つけることが重要です。
最後に、これらの制度を利用することで、質の高い介護を提供するためのスキルを身につけるだけでなく、収入の安定や社会貢献にもつながります。介護資格取得に向けて、助成金や貸付金制度を上手に活用し、充実したキャリアを築いてください。